気温


気温の測定方法(森林立地調査法第Ⅳ章4気温)

概要

 気温は、気象因子の中でも動植物の生育に影響を及ぼす気象因子であり、それぞれの地域に成立する森林タイプを決定する主要な環境因子の一つです。そのためいくつかある気象観測項目の中でも気温は、最も古くから観測されている基本的な項目の一つです。しかし温度計で測定される温度は、実際には「温度計感部の温度」であり、「空気の温度」ではありません。そのため、「温度計感部の温度」が「空気の温度」に可能な限り近づくように工夫する必要があります。気温の観測方法については、気象庁の気象観測の手引きで、温度計を設置する高さや百葉箱などの覆い、周辺の条件などが定められていますが、ここでは、林内などで気温(空気温度)を測定する方法について説明します。

温度計の選択

一般的に気温は1日の中で、日の出直前に最低を、午後2時ごろに最高を示すことが多くなります。そのため日ごとの気温の変化を調べるためには、毎日同じ時間に気温を測定しなければなりません。最も基本的な方法は、同じ時間に温度計の温度を読み取って記録する方法です。近年では、観測データを自動的に記録し、パソコンによって整理できる機能を持った安価な温度センサーが販売されています。この種の温度計を選択すれば、毎日同じ時刻に観測者が観測場所に出向くことなく、温度計が自動的に観測を行います。または、一定間隔で自動撮影する機能のあるカメラや温度をデジタル表示できる温度計も販売されています。温度計にデジタル表示された温度を、カメラで定期的に撮影することによっても、気温の自動観測を行うことができます。

温度計の一例

温度計の設置方法

前述したように、気温を正確に測定するためは「温度計感部の温度」が「空気の温度」に可能な限り近づくように工夫する必要があります。そのためにはまず、温度計感部が細いものを選びます。感部が細いほど熱容量が小さく空気との熱効率が良いので、「温度計感部の温度」と「空気の温度」の差が小さくなります。しかし感部が細すぎると、設置操作がしにくいこともあります。

次に、温度計感部を風通しが良く、かつ太陽光が直接あたらず、雨がかからないようにして設置します。例えば、温度計を百葉箱の中に設置するか、温度計感部を筒や覆いの中に入れるようにします。その際に、温度計感部が筒や覆いに触れて、筒や覆いからの熱が伝導しないように注意します。筒や覆いからも、その絶対温度の4乗に比例した放射エネルギーが温度計感部に放射されます(ウィーンの法則による)。太陽光が筒や覆いの温度を上げないようにして放射エネルギー量を少なくするために、筒や覆いの外側は白色にします。ファンなどで筒や覆いの中を強制的に通風するのが理想的です。しかしそのためには通風のためのファンを動かすための電源が必要になるので、強制通風に代えて自然通風を利用する無電源通風筒も販売されています。

気温を測定する高さは、地表から1.5mとするのが一般的です。

写真 無電源通風筒を用いて気温観測を行っている例

詳しくはこの本

森林立地調査法
第Ⅳ章 4気温、森林立地調査法編集委員会編、132-136p 1999 博友社、東京